いきなりだと対応しきれない「赤ちゃんの入院」。
初めての子だと心配して病院へ行くものですが、2人目3人目ともなると用事が重なってササット病院へ行けなかったり、このくらい大丈夫だろうなんて思ってしまいがち。
でも、生後半年以内の体調不良って案外危ないんです。
私もこの体験を経て、月齢の低い赤ちゃんが発熱するときはよほどの時、と心得ました。
私も軽い気持で受診したら、尿路感染症と診断されてそのまま救急へ。入院となりました。
今回は私が体験した長女の時のでき事である「赤ちゃんとの入院」生活や「尿路感染症」について、参考までに書いていきますね。
悲しいかな初節句であるひな祭りの日も病院で過ごしていました。
ピンクの枠には、私の体験に沿って尿路感染症の説明を入れています。
Contents
尿路感染症って?赤ちゃんは男児に注意。
膀胱炎、腎盂腎炎、前立腺炎と分けられます。
1歳までは比較的男児に多く、1歳を過ぎると一気に女児の比率が高くなる病気です。
女児の尿道は太く短いため、最近が侵入しやすいのが原因です。
とくに赤ちゃんは大腸菌が原因となることが8割以上を占め、尿道から侵入してきます。
重症化すると細菌が血液を通して全身に広がって敗血症となったり、腎臓に障害を残したりすることがあるので迅速な対応が必要です。
赤ちゃんの発熱の5~10%は、尿路感染症が原因だそうです。
1歳以下は男児の方が割合は多いですが、だからと言って女児が尿路感染症にならないわけではありません。
長女は4か月でこの病気になりました。
大腸菌が主な原因と言っても、初めての育児で気をつけすぎるほど気をつけていたおむつ替え。
どんな子でもかかってしまう可能性のある病気です。
尿路感染症の赤ちゃんの症状。まさか入院するなんて!
尿路感染症に気づくまで。赤ちゃんの泣き方がおかしい。
受診前日。
元気な長女は4か月半になったところでした。いつもどおりに電車に乗って、友人宅へ遊びにいっていました。
同じ年齢の赤ちゃんのいる友達。
いつも気兼ねなく遊んでいたので、遠慮なく違和感を伝えてくれたのも彼女でした。
この日は途中からとってもぐずぐずの長女。
機嫌が悪いなあ~なんて思っていたのですが、抱っこの姿勢を変えるたびにギャーッと大泣き。
抱き上げるたびに大泣き。
でも、それ以外は普段通りでした。
私は気にしていなかったんですよね。かなりグズグズするタイプの子だったので、眠いのかおっぱいだと思っていたんです。
でも、友人の一言であれっ?と思うように。
友人「抱くとどっか痛いんじゃないの?」
そういわれると、泣き方がギャーッという感じ。背中を反って、痛がるような感じ・・・
生後半年以下の赤ちゃんの発熱は何かしらを疑って。
そんなこんなでその日の夜から、少し熱が出てきました。
少し様子を見ようかな、なんて思っていた私でしたが、初めての子という事もあり心配性の旦那がすぐに病院へ連れて行くように、と。
予約が取れたのは夕方で、そのころにはすっかり熱も高くなっていました。38度くらいあったと思います。
私が無知だったのもありますが、生後半年くらいまではお母さんの免疫力が継がれているので滅多に風邪などひかないそうです。
ましてや熱があるとなったら、何かしらの病気を疑って血液検査をします。
尿が濁ったり悪臭がして気づくこともありますが、いつもと変わらない尿であることもあります。
尿路感染症の疑い?かかりつけにて赤ちゃんの検査
そんなこんなで、生後4か月という月齢から、発熱という事態を重く見た先生はすぐに血液検査。
そこから早かった・・・
(ちなみに赤ちゃんの血液検査は、3人くらいの大人が押さえつけるか、タオルでぐるぐる巻きにしてやります。10分くらい泣き叫んでいました。入院してからこれを何回もやることになるとは…私は待つだけですが、これにじっと耐えるのが一番つらかった!最初の小児科のかかりつけの先生が一番上手でした。総合病院の看護師さんは医師と違う血管から取らなくてはいけないので、なかなか血管が取れず何回も刺されてかわいそうでした。)
あれよあれよという間に先生に呼ばれ、血液検査の結果の値が「著しくおかしい」というようなことを言われ、
「尿路感染症の疑い」
ということで市の総合病院の紹介状をもらい、そのままタクシーを呼ばれました。
おむつやお金はもちろん、ほかに荷物も何にも持っていなかったので、(お財布と診察券くらい)一度帰ってからと思いましたが、そんなことせにタクシーでそのまま行くようにとの指示。
そのまま救急へと向かいます。
そのくらい、一刻を争っての治療となるようです。
月齢の小さな赤ちゃんは、免疫力を継いでいるため基本的には発熱しません。
月齢の低い赤ちゃんが発熱というと、まずは重い病気が疑われます。
それに加えて小さい身体ゆえに体調があっという間に変化していきます。
そこから得た教訓。
【生後半年以下の赤ちゃんの発熱は様子を見ずに、すぐに病院へ行くこと。】
(※友人の末っ子は2か月で発熱しましたが、ただの風邪でした。兄弟が多いとウイルスが回りまわって免疫力を突破してくるケースもあるようです。ただの風邪ならラッキーと思って、すぐに受診してください。)
総合病院の救急にて赤ちゃんの尿路感染症と髄膜炎の検査、そして入院。
休みの日だったのか、急ぎだったからか忘れましたが、救急患者の入り口から入っていった私たち。
すぐに「お母さんはこちらで待ってて。大丈夫ですか?」と腕を引っ張られて別室へ。
今思えばなんか雑な扱いだった・・・それだけ急ぎだったのか・・・?
まだまだポカーンとしていた私にとって、「大丈夫ですか?」と聞かれたことで、逆に不安になったなあ・・・
そして、
今から処置室で尿路感染症の検査のための血液検査(またやるんかい!!さっきやったよ!)と、
髄液にウイルスが入って悪さをしていないかの検査、(急がないと脳に影響がある、とか言われ一気に不安になる)
カテーテルを入れて尿の検査をする、
というような説明を受け、ひたすら待ちました。その間、何分だったんでしょう・・・
尿検査・・・尿の中に白血球や細菌がいないかを確かめる検査です。赤ちゃんは陰部にパックを貼って、尿が溜まるのを待ちます。ただ、外には細菌が混じる恐れもあるため、確実に診断するにははカテーテルを尿道から入れて膀胱まで通し、尿を取ります。
血液検査・・・炎症の程度や血流感染の有無を調べます。
超音波検査・・・生まれつき腎臓や尿路に異常がないかを見ます。
血液検査で白血球や炎症反応の値が高いことにより、一刻を争う治療が必要なため髄膜炎を疑って検査を行います。
赤ちゃんの腰に鍼を刺して髄液を採取します。
予後は悪く、早期治療できるかどうかが予後を左右するので、血液検査の値が良くない状態で運ばれてくればこの髄膜炎の検査もすることになります。
今はヒブ・肺炎球菌の予防接種普及により、これらが原因となる髄膜炎は急減しています。
ひたすら叫び続ける長女の泣き声を聞きながら、ただ耐えるしかありませんでした。
さっきの小児科での血液検査の結果は回して使えないの?小さい身体に負担をかけて同じことをまたやるの?という怒りと、
髄液の検査という過酷な検査をしている長女のことが心配で。
髄膜炎だったらどうしようとか、いろんなことをぐるぐる考えていました。
携帯には旦那から「病院どうだった?」のメールが。
気づけば夜だったこともあり、「今市立病院。ちょっと待ってて」
とだけ入れ、結果を待っていました。
赤ちゃんとの入院生活。尿路感染症との結果とその後の治療
赤ちゃんの尿路感染症。小児病棟へそのまま入院
その日は夕飯も取らずに、気づけばそのまま夜になっていました。
「結果が出たら連絡する。家で待ってて。」
とメールしたのに、旦那が何も持たずに勢いだけでフライングで病院へ到着。
入院の荷物を持ってきてもらおうと思ったのに、この日はパツパツのデニムのまま添い寝することになりました。
焦る気持ちは分かるけど、これじゃあ何の役にも立たないのよ・・・って思った記憶は鮮明なままです(´Д`)
(ちなみに面会時刻過ぎても特別に入れてくれました)
暗い小児科病棟はもう消灯後でした。
同じように今日から入院なんだろうな、という親子と2人部屋。一晩中アラームが鳴って、全く寝れなかったのを覚えています。
長女は髄液を取ったので、抱っこすると気持ち悪くなるから抱っこしないように、と言われました。
髄液検査の後は、抱き上げない、頭を起こさない、横にしないなど、とにかく数時間は安静にとのことでした。
泣いてもおっぱいをあげられず、抱き上げられず、一晩中「泣かないで、泣かないで」と思っていました。
赤ちゃんの尿路感染症治療。抗生剤の投与開始
髄膜炎ではないとの報告を受けて、ほっとしたのもつかの間。
次の日から点滴による抗生剤投与が始まりました。
どうやら腎臓に炎症を起こしていたようで、細菌をやっつけるための抗生剤を入れなくてはいけない模様。
点滴のための針を刺すのにまた泣き叫ぶ長女・・・でも、不幸中の幸いで赤ちゃんがゆえに針が刺さっていることも忘れ、点滴中は終始ご機嫌でした。
幼児のお子さんが隣で、ずーっと「針を抜いてほしい」と叫び泣いているのを聞いていると、胸が痛くて仕方なくて・・・
その点は、赤ちゃんだからよくわかっていなくて良かったです。
尿路感染症はうつらない。小児病棟で大部屋に移動
2,3日経って少し体調も安定したころ、大部屋へ移動が決まりました。
狭くて何もない2人部屋はすごく暑くて、3月だというのに半袖で過ごしていた私。
大部屋に移ると聞いて、少しホッとしました。
ベッドごと、ごろごろと大移動。長女はこれがお気に召した様子でご機嫌で、看護師さん達からも「これ好きなのね~」なんて話しかけられていました。
大部屋は6人部屋。私たち以外は小学生で、とっても賑やか。
昼間はみんな院内学校へ行ってしまうのでさみしいですが、子どもたちは入院中にもかかわらず賑やかで、おかげで気に病むこともなく過ごせました。
保護者のお母さんも、「こんな小さな赤ちゃんは久しぶりで嬉しくなっちゃう~」と言って子守してくれました。
多くが大腸菌の侵入による感染であるため、陰部を清潔にし、前から後ろへ拭くことが感染の予防です。
ただし、どんなに気を付けていても抵抗力の低下しているとき、排尿による自浄作用が弱い時は感染する恐れがあります。
赤ちゃんとの入院生活で大変だったこと。
生後4か月という事もあり、つきっきりの入院生活。
シングルのベッドで一緒に眠るのはもちろんですが、
何より大変だったのがご飯を買いに購買へ行くのも、お風呂に入るのも、赤ちゃんをベッドに置いていくしかありません。
昼寝という昼寝をしっかりしない赤ちゃんだった長女。30分寝ればいいかな~なんて思って眠った瞬間にシャワーに入っていると、出てきてみたらギャン泣きだったり、
他のお母さんが見てくれるというので購買に行ったらギャン泣きだったり、本当に苦労しました・・・
今思うと、寝返りもしなければ転がりもしない赤ちゃんだったので、別に泣いていたってある程度放っておけるのですが(昼間は誰もいない部屋だったので)、当時は初めての子ということもあって泣いていたら焦って抱っこしていました。
私はとっても恵まれていたので、夜ご飯を旦那がお弁当屋さんで買ってきてくれたり、朝ごはんのジャムパンを作って来てくれたり、洗濯を持ち帰ってくれたりとマメにしてもらえたおかげで、それほど苦痛な入院生活ではなかったように思います。(面会時間過ぎていても入れた時もあった)
母もお見舞いに来てくれて、差し入れを食べたりしていました。
でも、帰りの遅い旦那さんや家事をしたこともない旦那さん、ご両親が遠方の場合などはとてもとても一緒に病院にいたら回っていかないなあと思いました。
1週間もたつと入院生活にもすっかり慣れて、家事も必要なく、授乳するだけでラクをしていました。購買にフラフラと行くのも楽しかったりして。
あまりに暇で、ハリーポッターのハードカバーを読んだり、文庫本を持ち込んだりしました。今はスマホが普及しているので、暇を持て余すこともなさそうですね。
朝は6時半、夜は9時消灯なので、付き添いのママも半強制的に9時に寝なくてはいけません。
赤ちゃんの尿路感染症の治療経過と検査
長女の症状は思っていたよりも重く、1週間の入院と言われていたのが検査の度に思わしくなくて入院が伸びていきました。
最終的に2週間の入院となりました。
腎臓にダメージがないか見るのと、血液中の白血球の値がしっかり戻ったかどうかが退院の目安となるみたいでした。
尿道造影検査という検査は、15分は動いてはいけないという過酷なもの。動いたり泣いたりするとやり直しというものでした。
動くなとかそんなん絶対無理でしょ。と思った検査。
泣かすのが嫌だった私にとって、一番、憂鬱だった検査。
眠くなる薬を少し使って、眠い時を見計らって検査に出しますが、人見知り真っ盛りの長女は看護師さんに渡した途端にギャン泣き。
仕方なく、検査台の上からネットでぐるぐる巻きにして、動けないよう固定して検査しました。
カテーテルで膀胱に造影剤の入った水を入れて、排尿時に逆流がないかどうかを見る検査。腎盂炎を繰り返すと腎臓にダメージの後が残り、成長が良く無かったり機能の低下がみられたりするため、尿路感染症になる原因として、尿道で尿が逆流しているかどうかをX線で見る必要があります。
ギャン泣きを耐えて聞くこと15分。無事に終えた時は本当にホッとしました。
白血球の値と最近の炎症値を見る定期的な血液検査は毎回ぐったり。
途中から静脈から血液が取れなくなり、医師が動脈からサクッと採ってくれました。
看護師さんが採血できるのって静脈オンリーなんですね。
採りにくいとわかって何回も刺される赤ちゃんの身にもなってくれ。と、何度イライラしたことか。仕方ないけど。
長女の両腕に、針の痕がいくつも残っていて痛々しかったです。
そんなこんなを繰り返し、ようやく2週間後に数値が正常となり退院OKが出ることとなります。
赤ちゃんの尿路感染症2週間の入院・治療費は?
今思うと、物凄く安いと思いました。
入院って1泊1万円とかしますよね。でも子どもは医療費受給証があれば、私の市では1日200円なんです。
妹の市では子どもは診察・お薬代無料など自治体によって差はあるみたいですけどね。
そうはいっても、普通の診察や治療ではなかった今回。
高額医療費含めて2万8000円ほどのお支払いとなりました。
後からこの高額医療費も、市に申請して戻ってくることとなります。
保険に入っていれば、入院治療の保険適用が受けられるので、出費がかさむどころかむしろプラスになっていると思います。
私は退院時のお会計がいくらかわからず2万しかお財布に入ってなかったのと、母がお見舞金で1万円渡してくれたので何とかセーフでした。
(アメリカに一回住んでしまうと、日本がどれだけ恵まれた国なのかってことを痛感します。参考値までに、アメリカの出産時の入院1泊2日で50万円です。NICUに入っていた友人は家が建つほどの額を請求された、とのこと。)
赤ちゃんの尿路感染症、その後の定期通院
赤ちゃんの頃に尿路感染症になると、一度なっている子は尿道が太いので再発しやすいとのことで、定期的に病院に通うことになります。
発熱も伴う尿路感染症である腎盂腎炎を起こした場合は、腎臓にダメージが残っていないかどうかを尿検査でも見るようです。
事前におしっこのパックをもらい、陰部に貼るのですが、動く動く。結局漏れていたり、パックが外れていたり・・・採尿するのが難しくて苦労しました。
尿をもってお医者さんのところへ行くのは予約制でした。とはいえ、結構待ちます・・・
私は第一子だからよかったものの、兄弟を抱えて病院に来ているお母さんはさぞかし大変だろうと思います。
腎臓の成長具合を見る腹部超音波(エコー)などをして、尿検査の結果を聞いて、おしまいです。
正常に排尿できるようになる3歳までは通うように、と言われました。
半年に1回のペースで通院検査をして、尿検査や腹部エコーをして問題がなければひと段落です。
成長に伴い尿たんぱくが出ないかどうか、血圧が高くないかを見ることがポイントです。
腎瘢痕(尿路感染による炎症でのダメージ痕)がなければ、長期にわたる通院も必要ないことがあります。
あくまでも、私の体験談としてお読みください。
全く原因が別のところにある場合もあれば、辿る経過が違うこともあります。
ただ、一つの経験談として、参考になれば幸いです。
こんなにも大変な思いをして頑張った娘は今、小学生です。
髄液摂るの大変だったね、と話しても、「何それ」と半ば反抗期の口調で切り返されます。
赤ちゃんは大変だけど、覚えてないものですし、看護師さんや医師がついています。
付き添いのお母さん、お父さん、入院や検査はかわいそうで変わってあげたいくらいだと思いますが、こんなときこそ何よりご自身の体を最優先にしてくださいね。